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海外旅行の3Kと体験知
二十代の海外旅行者数がこのところグングン減っているという。これはもちろん今の経済動向と無縁なことではないだろうが、それ以上に、インターネットで済まして「行くのが億劫になっちゃう男女」が多いらしい。ただこれはある旅行会社の広報担当者からの伝聞情報。果たして本当のところはどうなんだ? と、実地に話を聞いてみることにする。さっそく二十歳を迎えたばかりの男の子をつかまえ雑談してみる。なんで海外旅行が好きじゃないの? すると、とんでもなく単純な答えが返ってくる。
「金がかかる、危険、(外国人が)怖い」
まるで<海外旅行の3K>とでも命名したくなるような、明解なる答だ。
最初の金がかかる、これは分かる。確かに家にいるよりも海外旅行は遙かに金はかかる。そして二番目の危険というのも、とても安全な日本からみれば、たいがいの外国地域は危険の部類に入る。まあ日本人の危険閾値は低すぎるから、もう少しタフになれよと説教もたれたくなるが。そこはグッと我慢する。だけど、さすがに物申したくなるのが三つ目。外国人が怖い。いや、もう鎖国時代じゃないんだから。とって食われるとでも思っているのだろうか。ちなみによくよく話を聞くと、彼は、外国すべてを総括してただ漠然と「怖い」と思いこんでいる節があり。外国で外国人に外国語で話しかけられると、思考のスコトーマ状態に陥るらしい。ちなみに彼の海外旅行経験は、人生合計2回である。
で、結論としては、金を無駄にかけ、危険にびくつき、外国人に緊張しぃしぃ、旅行するぐらいなら。日本でゆっくり茶を飲みながらインターネットで情報を得るということになるらしい。まあ筋は通っている。
確かにインターネットは便利だ。私もとてつもなくお世話になっている。広辞苑やブリタニカ百科辞典を調べるよりも先に、ついネットのWikipediaをYouTubeを見てしまう。けれど、いつも思うのはそこに書いてあることの信憑性。歴史から科学から日々の社会的ニュースに至るまで、これは本当にそういう話なの? と、どうしても記述の裏を知りたくなる。「自分の目で見るまでは信じない」じゃないけれど。どれほど多くのデータを使って丁寧に説明されていても、主観はつねに介在しているもの。ならば身を以て体験して、自分の主観、で話の筋を構築していく。そうすることで初めて自分なりに「わかった」と言える気がするのだ。
答を知ることと、答を見つけていくこと。これは完全に別の「知」だ。
話を前述の海外旅行の3Kに戻すと、確かにインターネットでも海外情報の多くの答を知ることはできるけれど、それは実地にフィールドワーク的に体験して「わかった」といえる知とはまったく別物な気がする。
頭脳知の「Knowledge」と、体験知の「Savvy」。
ともにバランスよく必要なものではあるけれど、このままいくと日本人のSavvy力は、衰えていってしまうかもしれない。
(January 19, 2009)
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